ミュージカル『銀河鉄道999 GALAXYOPERA』感想・レポ・レビュー

感想・レビュー

ミュージカル『銀河鉄道999 GALAXYOPERA』

プロローグ

このミュージカルは、銀河鉄道999の40周年を記念した作品で、公演前からかなり話題になっていました。
私は世間一般が知っているのと変わりない銀河鉄道999の知識しか持ち合わせておらず、例えばメインどころの登場人物や、ざっくりとしたストーリー展開は知っていたけれど、漫画やアニメを見たことがあるわけではありませんでした。
OP、舞台中央から一筋の光が天を貫きました。
語り出したのは、私が持つ銀河鉄道999の知識からはヒットしない、謎の男でした。彼の語りに合わせ、舞台には光が、更に一筋、もう一筋と現れ、そこにメインキャストである主人公の鉄朗やメーテルが現れます。
所謂プロローグに値するものですね、本編に入る前の、客と舞台の橋渡しのようなものでした。セットも何もない舞台の上で、役者と光だけが厳かに存在する様子はとても神聖で、これからの物語に期待が募ります。


『銀河鉄道999 GALAXYOPERA』観劇レビュー

謎の男は、後に漫画の連載が決まり、地方から東京へ上京してきます。彼だけが他と異なる時間軸で進んでいき、作中ついにその正体が明かされることはありませんでした。終演後、アフタートークで彼が銀河鉄道999の生みの親、松本零士先生であると明かされた時には、あまりの感激に小さく声を上げてしまいました。あのプロローグはまさに、作者である松本零士先生が彼らを生み出した瞬間、文字通り物語に息吹が吹き込まれた瞬間だったのです。40周年にふさわしい、これ以上ない幕開けだったでしょう。次に観る機会があれば、これを踏まえた上で観劇したいものです。
と、一転して力強い音楽が流れ出し、やがてそこに歌声が重なり、舞台はスラム街へと移ります。
心を掴まれた瞬間でした。青白く神聖な光から、真っ赤なライトに変わった舞台上で、鬼気迫る様子でステップを踏み心の叫びを歌にする子供たち。
全シーンを通しておそらく1番舞台上に人がいたシーンでもあったと思います。面積が大きいということはそれだけで迫り来るものがありますね。
たくさんいる子供たちのさらに一人一人がいのちを燃やしているのだから、釘付けにならないはずがないのです。非常によくできた導入だと思いました。
ミュージカルでは冒頭にダンスシーンを入れるのはよくあるパターンですが、大抵は物語のはじまりを飾る部分として、明るい内容のものが多いように思います。
しかしこの作品では、いきなり命がけの叫びが響き渡るのです。強く心を揺さぶられるのも当然でしょう。私自身、この冒頭のシーンは終演後もずっと頭に浮かんできました。

鉄朗がメーテルと銀河鉄道の旅に出ると、舞台上には電車の側面を模した大きなパネルが登場しました。
そこからしばらく、宙に浮いた橋の上で芝居が続きます。バックには車窓のパネル。宇宙を駆ける銀河鉄道をどのように表現するのか、やはり1番気になるポイントでしたが、まさか本当に宙に電車を作り上げてしまうとは思いもしませんでした。
また、私が観劇した東京公演の劇場は明治座。明治座は普段歌舞伎などが行われている舞台で、その形は綺麗な長方形になっています。その形もあいまって、まるで劇場全体が銀河鉄道999になってしまったかのような錯覚さえありました。
銀河鉄道999は東京公演の他に、北九州と大阪でも上演されますが、他の劇場はどのような形をしているんでしょうね。私は明治座で見ることができてよかったと感じています。

その後も大型のセットや派手な照明を使った華々しい演出が続き、銀河の中の世界が目の前に広がり続けました。
私は前述の通り原作に対する知識が殆どありませんでしたが、幼い頃テレビ番組の名シーン特集で見たメーテルはそっくりそのまま飛び出してきたかのようでした。
主演の俳優さんはもちろん、メインキャストだけでなく、アンサンブルキャストまでもが命を燃やすその熱が、遠くの客席で観ていた私のところまで届いてしまうほど、 激しく燃え盛っていました。
観客の心に届けたいメッセージは、舞台上の彼らがそれを全力でやってこそ説得力があるものです。
この舞台では、「命」を語るために、彼らは文字通り命をかけていました。燃え盛る命はキラキラと、まるで銀河に浮かぶ星のように輝いていました。


公演データ

原作 総監修】 :松本零士
【脚本】坪田 文
【演出】児玉明子
【映像演出】ムーチョ村松
【キャスト】
星野鉄郎:中川晃教
メーテル:ハルカ
機械伯爵:染谷俊之
リューズ:矢沢洋子
シャドウ:雅原慶
クレア:美山加恋
大山トチロー:入野自由
車掌:お宮の松
トチローの母/鉄郎の母 /プロメシューム(声の出演):小野妃香里
アンタレス:塚原大助
クイーン・エメラルダス:凰稀かなめ(特別出演)
キャプテン・ハーロック:平方元基

アンサンブル
岡崎大樹 高木裕和 高橋里央 出口栄一 富田大樹 長尾哲平 中島大介 バレッタ裕 藤田勇紀

森内翔大 森田力斗 安里唯 池田美千瑠 新橋和 望月ちほ 安室夏 横関咲栄

(男女別・五十音順)

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