英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団『眠れる森の美女』感想・レポ・レビュー

感想・レビュー

眠れる森の美女英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団



姫は真昼に夢を見る

英国のバーミンガム・ロイヤル・バレエ団の『眠れる森の美女』が10年ぶりに滋賀県立びわ湖ホールで上演されました。
誰もが知るおとぎ話の世界をバレエで、しかもイギリスのバレエ団が来るということもあって多くの人が集いました。

英国ロイヤルバレエは二つある?

英国ロイヤルバレエ団と聞いて、多くの人がロンドンの王立ロイヤルバレエ団を想像されるでしょう。ですが、イギリスには他にもバーミンガム市にあるバーミンガム・ロイヤル・バレエ団があります。こちらは王立ロイヤルバレエの姉妹バレエ団で過去、吉田都さんがプリンシバルをされていたことで有名になりました。現在も日本人数人がプリンシバルとして活躍されています。

上演前から華やかなロビー

バレエ公演ということで、劇場にはバレエを習っている女の子の団体やそのご家族、また現役のダンサーの方が見受けられました。
メインロビーでは英国バーミンガムバレエ団のDVDやパンフレットが販売され、テレビでは今回のバレエ公演映像が流され、上演前からゴージャスなバレエの世界を満喫できました。

まさかの主役降板、そして急きょ引退公演に

開演時間が過ぎたころ、主役のデリア・マシューズの突然の降板が舞台上から告げられました。オーロラ姫を佐久間奈緒さんが、そして王子役を厚地康雄さんという配役変更。
公演数日前に退団発表をされた佐久間さんにとっては、びわこホールが他の地方に先がけての引退公演であり、また王子役の厚地さんは佐久間さんの旦那様でご夫婦での共演となるバーミンガムのバレエファンの方たちには感慨深い公演となったのです。

『眠れる森の美女』観劇レビュー

オーロラ姫の降臨、おとぎ話の人々登場

眠りの森の美女の構成はオーロラ姫の誕生から悪い妖精に呪いをかけられ、眠りにつくまでが1幕、2幕目は100年後の世界と姫の目覚め3幕目は盛大な結婚式という構成です。
1幕目から豪華なロココ風の衣装に身を包んだ人々がお姫様誕生に喜んでいると突然ねずみと黒の衣装に身を包んだカラボスが登場します。家来のねずみは動作も可愛いのですが、その主人のカラボスもそれ以上に茶目っ気のあるキャラクターです。王に呼ばれなかったことに怒り狂うカラボス、王の家来にさんざん好き勝手なことをした上、姫に呪いをかけて退場していきます。暴れん坊カラボスの傍若無人さと姫への呪いに嘆く王と王妃に白と淡い薄紫の衣装に身を包んだリラの精は、彼女は王夫妻に姫を助けることを約束します。
カラボスの暴れまくる様子を動とするなら、リラの精の優雅な舞は静、黒と白、善と悪の対比がはっきりとわかる場面です。
そして第2幕、ここでは機能的で1幕とは違った地味な配色の乗馬服に身を包んだ女性たち、そして王子が登場。女性たちの服装と立ち居振る舞いで1幕から100年が経過したことがわかります。王子が妖精たちに誘われ、オーロラ姫出会い、魔法から覚めた姫と踊るパ・ド・ドゥ。
日本人でプリンシバルとして外国の舞台に立っていた佐久間さんのオーロラ姫は上品さ、王子役の厚地さんの気品ある物腰、やはりご夫婦ということもあり息がぴったりでした。
3幕目オーロラ姫復活からは知っているおとぎ話のキャラクターの登場は、楽しく人気のあるパートが目白押しになります
長靴をはいた猫が綺麗な白い猫と共に登場し、可愛らしくほほえましい踊りを見せてくれます。またその次に現れる青い鳥は、男性パートの方の跳躍力が見せ場、フロリナ姫ととの優雅なパ・ド・ドゥも共に必見です。その後の赤ずきんと狼は、短いながらも楽しい場面。追いかけられる赤ずきんに狼、狼の動きが実にコミカルで、コメディのよう。決して食べたりしない追いかけっこが可愛い作品です。
この物語は貴族の物語なので貴族役、求婚者役の方たちの身のこなしの優雅さが必要とされますが、さすが王立バレエの流れを組むバレエ団、品位漂う舞台には思わずうなります
優雅さがあり、笑わせるところあり、そして最後のキャスト全員が揃ってのカーテンコールも華やかで見ていて楽しく美しい舞台でした。

舞台に恋した少女たちが続々と

今回の舞台では初めてバレエに連れてきてもらったお子さんをたくさん見ました。
その子たちが舞台をじっと見つめ、時にため息をつき舞台が終わった後、目を輝かせている顔を見て、ちょっとだけうらやましくなりました。
また今回は、急なキャスト変更でしたが、機会があればぜひデリア・マシューズとブランドン・ローレンスの眠りの森の美女を見てみたいものです。

公演データ

英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団「眠れる森の美女」
開催日 2018年5月13日(日)
会場 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール大ホール
音楽チャイコフスキー
振付マリウス・プティパ、ピーター・ライト
演出ピーター・ライト
指揮ニコレット・フレイヨン
管弦楽セントラル愛知交響楽団

ペンネーム: ロンドンぱんだ
好きな舞台のジャンル: ストレートプレイから2.5次元、オペラ、バレエ、宝塚歌劇、古典芸能を見ています。
ひとこと: 生まれたときから舞台好きです。

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