劇団四季『オペラ座の怪人』感想・レポ・レビュー

感想・レビュー

劇団四季『オペラ座の怪人』とは

オペラ座の怪人を見たことがない人でも、オペラ座の怪人のテーマは多くの人が耳にしたことがあるかと思います。
一度耳にすると頭から離れないあの少し不気味で、それでいて荘厳なパイプオルガンの旋律です。
原作はフランスのゴシック小説ですが、これまで多くの映画や舞台が作られてきました。
その中でも有名なのがこの1986年のロイド・ウェバーによるミュージカルだと思います。
私はこれまでオペラ座の怪人は、2004年のジョエル監督版の映画しか見たことがありませんでした。
この映画はロイド・ウェバー版のミュージカルを映像化したものだったのですが、ストーリーや世界観、音楽の全てに惹きつけられて何度も繰り返し見ていたのを覚えています。
しかし劇団四季の「オペラ座の怪人」を観て確信しました。この作品は絶対に一度は劇場に足を運び、舞台で鑑賞するべきです。
というのもこの作品の魅力が最大限発揮される表現が舞台という総合芸術だと思います。
何故劇団四季の「オペラ座の怪人」がこんなにも素晴らしいと誰も教えてくれなかったのでしょうか。
もうこれからは「劇団四季のオペラ座の怪人は凄いらしい」とぼかすのはやめて「凄い」と言い切って頂きたいです。


『オペラ座の怪人』感想・レポ・レビュー

冒頭、舞台は薄暗くまるで倉庫のようにあらゆるセットに布がかけられています。
そこでオークションが始まり、最後にロットナンバー666番、オペラ座のシャンデリアが布の中から現れます。
そして荘厳なオーバーチュアと共にシャンデリアが天井に登っていき、全ての布が取られ壮麗なオペラ座の舞台装飾が現れます。
薄暗い倉庫のような舞台から一転し、気がつけばそこは完全に19世紀のオペラ座なのです。
この作品に最初から「観客役」は存在しません。観客役はこの舞台を見ている私達です。

第一幕

例えば第一幕「イル・ムート」の公演のシーンで、首吊り死体がステージに落ちてきて舞台が混乱に陥ります。
そこで支配人であるフィルマンは観客の私たちに、単なる事故なので落ち着くよう必死に弁明するのです。
私たちはまさにオペラ座の「観客」という形でこの一連の事件を目撃し、体験しているのです。
これは舞台でしかできない演出だと思います。
もちろん演技、歌自体も本当に期待以上に素晴らしかったです。
特に佐野正幸さん演じるオペラ座の怪人の恐ろしくも悲哀に満ちた美しい歌声には本当に心が震えました。
そして苫田亜沙子さん演じるクリスティーヌのまさに可憐で鈴のような歌声にも魅了されました。
最初は少女らしく無垢であどけない演技の多いクリスティーヌですが、音楽の天使である怪人と対面し、ラウルと恋に落ち、オペラ座の看板女優と
なっていき、どこか芯のある女性らしい強さや美しさを身につけていく過程が歌声にも表れているように感じました。

第二幕

第二幕の「ザ・ポイント・オブ・ノー・リターン」では怪人とクリスティーヌの情熱的で艶やかな駆け引きが繰り広げられ、緊迫するシーンにも関わらずため息が出るほどの美しさでした。
またクライマックスではラウルを殺すと脅す怪人を憎みながらも、その歌声にはまだ怪人に
対する憐れみの心がにじみ出ていて、改めて俳優さんの表現力の高さに圧倒されました。
舞台美術や小物・衣装の一つ一つも細やかに作られていて、舞台の端から端まで、何時間でも眺めていられそうでした。
この「オペラ座の怪人」はこれまでにも演出や衣装、音楽についていくつか変更が加えられ、よりパワーアップしているようです。
過去「オペラ座の怪人」を見たことがある人は、そういった細かな変化を見つけるのも楽しみの一つだと思います。
原作やそれまで培われてきた魅力はそのままに、未だ進化し続けるその姿勢が
長年多くの人を惹きつけてやまない「オペラ座の怪人」の人気を支えているのだと思います。

公演データ

場所:京都劇場
出演者
オペラ座の怪人:佐野 正幸
クリスティーヌ・ダーエ:苫田 亜沙子
ラウル・シャニュイ子爵:北澤 祐輔
カルロッタ・ジュディチェルリ:河村 彩
メグ・ジリー:小川 美緒
マダム・ジリー:早水 小夜子
ムッシュー・アンドレ:増田 守人
ムッシュー・フィルマン:青木 朗
ウバルト・ピアンジ:山口 泰伸
ムッシュー・レイエ:深見 正博
ムッシュー・ルフェーブル:中村 伝
ジョセフ・ブケー:田辺 容
<男性アンサンブル>
高橋 祐樹
中村 勝之
見付 祐一
村田 慶介
新井 克
草場 有輝
日浦 眞矩

【女性アンサンブル】
熊埜御堂 ゆかり
大中 ゆかり
平木 萌子
辻 奈々
徳山 稚子
吉田 瑛美
西田 ゆりあ
森 真琴
羽田 沙織
石橋 杏実
岩本 有花
髙田 直美

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